世界には、価値観がひっくり返るような絶景が無数に点在している。
けれど、私生活の時間に縛られている僕たちは、
そう簡単に辿り着けるものでもない。
でも、
そんな“価値観がひっくり返る景色”は、案外すぐ近くにも存在してた。
森を歩いていると、
「なんとなく気になって覗いた足元」に、
思いもよらない景色が広がっている世界がある。
倒木の裏、湿った枯葉、めくれた木皮。
どこにでもある、誰もが気にもしない、通り過ぎるような場所。
粘菌は、特別なスポットでもないそういう場所で出会う。
そこに“地球の中にある、もう一つの宇宙”が隠れている。
目に入った瞬間に、世界のスケールがズレてしまう存在だ。
もちろん、SNSで検索すれば、いくらでも写真は見つかる。
でも、自分で歩いて、自分で拾った粘菌(写真)は、
そのまま“ポケットに貯菌”しておきたくなるくらい、
妙な愛着が湧いてしまう。
かつては研究者しか覗けなかった小さな惑星が、
今では誰でも拾って、記録できる時代。
意味なんてないし、役にも立たない。
でも、
効率とか、正しさとか、誰かに見てもらうことばっかり考える時代に、
ただ自分で拾って、自分で残す。
そんな手間のかかることが、いちばん健全なんじゃないかと思う。
無駄なようでいて、
こういう行為こそが、
気づけば“静かな一人カウンターカルチャー”みたいなもので、
誰に認められるでもなく、
ただ自分がちょうどよく満たされる。
このカテゴリでは、
そんな**“足元の惑星”を、気まぐれに貯菌していく記録**を残していきます。